あの外注サイトを使って感じた7つの改善点とか
クラウドソーシングのL社を利用したので所感をば。
L社って、隠す必要ないか。
ランサーズあるある
小ネタ。タスクやっただけですが、作業側の体験を一通り経験できたかなと。
書き終わってクリックした瞬間にデータが消える
カフェでWifi繋ぐことが多かったんで、回線不安定だとページ遷移でエラー起こしてデータ真っ白になりました。ぼくの頭まで真っ白。
メモ帳等での作業→コピペが必須です。(※タイミング次第でもう一度作業画面に入れる)
作業が探しにくい
「この人のプロジェクト見たいな」と思ったら、タスクをふる人の名前で検索をかけますよね。出てきません。
テレワークも目指すものは同じ
ちょっとエラそうなこという前に「PCでできる仕事の流通サービス」の全体像を把握しておきます。
テレワークって知っていますか?在宅オフィス。
田澤由利さんという方がテレワーク普及活動をしてて、実際にお話を聞いたこともありますが、システム稼働画面のあまりの"オフィスさ"に驚きました。
テレワークはネット上にまんまオフィスがある、という感覚が一番近い。
クラウドソーシングとテレワークの差は、プロジェクトの長さです。テレワークが「結婚」だとすると、クラウドソーシングは「ワンナイト」や「大学生時代の彼女」。
ランサーズ秋好社長のインタビューでは
すでにスキルを保有している人が仕事を得る、ということだけでなく、今はスキルの無い人でも、クラウドソーシング市場において仕事を得られるようになる、という姿を目指しています。
とありますが、テレワークの目指す部分にも通ずる部分があります。
秋好社長の言葉でいえば「職能開発」。これを起点に話します。
直してほしいと感じた8つのポイント
BtoBでランサーズが法人向けにどんな施策をしてるかは知らないので、個人(クラウドワーカー)から見た改善ポイントとします。
トークの視点としては「ライティング」です。依頼主としての目線も考慮しています。
1.ターゲットの分離・明確化
話が長いので可愛い女の子の写真を挟むことにしました。
現状の主柱は「既にスキルのあるデザイナー/ライター」ですが、秋好さんのいうとおり、顧客はスキルのある人間だけではありません。
- スキルのあるデザイナー、コピーライター
と
- スキルがないが興味がある人
では隔たりが大きいので、ランサーズを2分割するくらいの勢いで分けるべき。
だってたとえば
- 新卒採用
- 中途採用
がごっちゃになったら見にくいですよね?ましてや
- 中途採用
- アルバイト
の求人が検索結果に一緒に表示された日には最悪です。Xvide○の検索結果に瀬戸内寂聴が出てくるぐらい最悪な気分です。
話は戻って、主婦層は大きな市場だと思います。GoogleやYahooで「在宅」と調べて、在宅で何ができるのか調べている人はたくさんいる。
現状いろんな稼ぎ方がありますが、知名度と安心感は武器になります。DeNAでライターを募集するのと、無名の会社でライターを募集するのは違うのです。リーディングカンパニーとして存在感を発揮してほしい。
2.単なる「お金を稼ぐ場所」としての機能を徹底する
薬を出さない病院があったら絶対行きません。
バリカンしか置いてない床屋にも行きたくありません。
同様にお金を稼ぎにくいアルバイトもいやです。でもこれがランサーズの現状ではないでしょうか。
「お金を稼ぐ」のがランサーズで仕事をとる理由です。それなのに
- いつ承認されるか分からない
- いつ振り込まれるか分からない
- 手数料が目の前で天引きされてちょっと損した気分
- せっかく打ち込んだ文字が消える
- どうしたらいくら稼げるかの情報が少ない
というのは考え物だなぁと。
大学生だったらランサーズより時給高くて社内事情も知れてスキルアップもあるインターンが山ほどあります。そう、東京ならね。
改善点としては
- 検索画面の精度向上
- ユーザーの目的(仕事をみつけたい、仕事を比較したい、入金を確認したい、疑問を解決したい、スキルをあげたい)に沿ったページ設計
- よりシンプルなUI
です。言うは易し行うは難しだね。
3.「お金を稼ぐ場所」から脱却する
「金を稼ぎにきてるんだよ」とはいうものの、人に振られる/需要が多い仕事である以上は、ランサーズで稼げる金額なんてたかが知れています。
なので次に考えたいのは「仕事してよかった」「やってみてよかった」というお金とは異なる欲求を満たすこと。
など
- なんか自分成長してるかも
- 将来のためにがんばってるんだぜ~どへへ
- 今日のがんばりがすぐ評価される!うれぴー
という声につなげ、「もっと働きたい!」「評価をあげてもっと単価の高いライターになりたい!」「自分ががんばったことを評価してほしい!」というニーズにこたえること。
じゃないとクソみたいなコピペのプロだらけになります。大事にすべきなのは優良顧客(打てば響く層)です。ここに対するアプローチ不足。
4.顔の見えるユーザーを増やしていく
外人さん採用してみた。
こう考えていくと
「コピペ記事を納品されて指摘したら逆切れされた」
「笑える体験談がきた。笑えるけどこんなのTwitterでシェアするくらいしか使えない」
という諦めにも似た声があるのは至極当たり前ですわね。
たとえばライティングに関する教材を公開すれば、それだけ自社経由のサービスの質が上がることになります。クライアントも喜びます。
くどいようですが、ランサーズのサービスは「自社のシステム」ではありません。「仕事を生む仕事」です。
そういった意味で「ユーザーの育成」は大事。育成したらば1人1人が個性のあるアカウントになっていくはずです。それが「顔が見える」ということ。
5.優良個人を囲い込む
- なぜランサーズなのか?
- なぜシステムを使うのか?
この質問に応えられるユーザーがいない以上、ランサーズは単なる便利屋。友達に彼女を紹介したらいつの間にか友達の彼女になっていた感じです。素通りされるだけです。
いつまでも、クライアントが自社にいてくれるためにはどうすればいいのか?ランサーズでなくてはいけない理由はどこにあるのか?
- UIが分かりやすい
- 評価制度が積みあがっていて仕事しやすい
- ランサーズで仕事することでお金以外が得られる
まぁ色々あってMECEでもないわけですが。
選ぶ理由には2通りあります。ランサーズを「選びたい」のか、ランサーズを「選ばざるを得ない」のか。
たとえば楽天やリクルートの旅行サービスで、今や全国のホテルや旅館は骨抜きにされました。リクルートが「手数料あげますね」といって掲載を考え直しても、集客を頼っている以上は掲載中止することが「できない」。サービスを利用せざるを得ないわけです。いわば監禁です。
あとは腕のいい美容師さん。昔から自分を知ってくれており、好みも分かっている。楽だし安心だし、遠くへ異動になっても、料金が上がっても「通いたい」。長年付き合った彼女に似てますね。変更コストが障壁となるパターン。ヤフオクの評価制度もこれです。
6.社名検索LPの整理
これしょーもないことなんだけど、LPみてみてください。
依頼側と受注側がごっちゃになってる。SEO上そうなってるのかどうかわかりませんが、明らかにひどい。
「カレー」と調べてたどり着いたページが「カレーの売り方」と「カレーの作り方」についてごちゃごちゃ書かれていたらどうでしょう。「まず入り口わけてくれ」って思いますよね。あぁカレー食べたい。
7.お祭り感
不意を突く作戦。
例えばランサーズで〇〇万以上の仕事をした方の中から抽選で〇〇プレゼント、とかあったら楽しいな。それだけ。
あとがき
長くなりました。自分の思考ログですので一切の企業批判をするものではありません。念のため。
一貫して想ったことは「エンジニアの視点からつくりすぎている」ということ。
「導線改善によってクリック率が増加!KPIを意識したグロースハック!」もいいのですが、ランサーズはサービスを売って終わりのサービスじゃなく、ユーザーにとっての「会社」ですよね。
お金が大事だけど、お金じゃない。プロジェクトをふる、タスクをふる仕事の付加価値はそんなところにあるのでは。
KPI改善も大事ですが、ランサーズがやっているのは「仕事をつくりだす仕事」だということを忘れずにやってほしいし、これからも応援しています。
ランサーズ社長のブログ。
この記事ではアーロンチェアやRealForceの他、色々紹介されてます。